ただ星を読むだけ。

西洋占星術を通して誰かや何かを語るだけのブログ。不定期更新。

五十嵐貴久『リカ』の占星術的考察 ※ネタバレ注意

 

こんにちは。

 

今回は五十嵐貴久さんの『リカ』を考察したいと思います。

 

皆様どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。

 

引用元:ホロスコープを無料で作成!初心者でも簡単 運勢も診断できる。|メトロポリタン占星学研究館

 

日付は幻冬舎からのデータを参考にしてあります。

www.gentosha.co.jp

 

太陽は山羊座。牡牛座土星・双子座木星とトラインを形成。

 

こちらの小説のヒロインであるリカの強烈な存在感が読者に恐怖とインパクトを与え、後日談の「リターン」やリカが恐怖を齎すモンスターとして覚醒するまでを描いた「リバース」など、続編が次々に刊行されるほどの人気シリーズとなり、ドラマやマンガ、映画化もされています。

 

読者を示す月は蠍座に位置し、同星座の火星とコンジャンクション水瓶座水星・天王星とスクエア、魚座金星とトラインを形成してあります。

 

この「リカ」が刊行された時代は、出会い系サイトが流行していた時期です(水瓶座水星・天王星)。

 

五十嵐は執筆のきっかけを「インターネットが普及し始めた2000年頃に、“出会い系サイト”を通じて人と会うことが現実に起きているという体験談を教えてくれた方がいて、「それって、怖くないですか?」というのが、頭の中にありました。もし、相手が少しおかしい人ならどうなるのだろう? 少しがかなりなら? かなりが極限ならどうなるのか……? 」と考えていったことだと明かす。 

「よく分からない人と連絡を取り、会うという状況を想像しているうちに、その人がだんだん距離の取り方が変で、連絡の仕方がおかしい、いつ寝ているのかよく分からないなど、要素をだんだん付け加えていくうちに、あのようなキャラクターになりました」と人物設定の裏側を語る。

引用元:『リカ ~自称28歳の純愛モンスター~』 高岡早紀演じる“雨宮リカ”が愛される理由とは? 原作者五十嵐貴久より、コメント到着! | シネマNAVI

www.cinemanavi.com

 

月とコンジャンクションしている蠍座火星も魚座金星とトライン、水星・天王星とスクエアです。

 

主人公の本間隆雄(火星)の視点からストーリーを追いますが、愛する妻子がいる(月とのコンジャンクション)にも関わらず刺激を求めて出会い系サイトでリカと知り合い(火星と金星のトライン)、最初はリカとのやり取りを楽しんでいましたが次第にリカのあまりにも常軌を逸した行動に追い詰められていきます(水瓶座水星・天王星とのスクエア)。

 

魚座金星は蠍座月・火星とトライン、射手座冥王星とスクエアです。

 

リカ本人はロマンティックな性格(魚座金星・蠍座月とトライン)で主人公に本気で恋していますが(蠍座火星とトライン)、完全に自分が夢見る世界こそが全て、それを実現させるために相手の意思も主張も聞く耳持たずで選ぶ手段も残酷でおぞましいものです(射手座冥王星とスクエア)。

 

それでも月と金星がトラインですので、リカは何者か気になった読者は多くいたと思います。悪臭を放つ異様なまでに痩せこけた身体、主人公を乗せたタクシーと同じ速さで追いかけ、10分おきに主人公のケータイにメールを送りいつ眠っているのか分からない、最終局面で刑事に銃で撃たれたにも関わらずすぐに何事も無かったように動ける、まさに不死身のような存在。

 

作者もリカのその後、そもそもリカが何者なのか書きたくなるほど愛着ある存在になったのだと思います。だからこそシリーズ化されるほどリカが登場する小説が書けたのだと思います。

 

最新作の「リベンジ」では、「リターン」で死んだはずのリカが生きていた上に子どもまでいた事が発覚します。ここからどうリカ(たち)と完全決着をつけるのか、気になるところです。

 

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本日も当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございました。